梅  毒


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ペニシリン系薬剤が発達してから、梅毒はほとんど姿を消したといわれています。しかしそれは、発疹など症状のあらわれる顕症梅毒が減ったということで、不顕症梅毒は数こそ減っているでしょうが、まだかなり存在しています。
梅毒はトレポネーマ・パリドゥムによる感染で起きます。かつてスピロケータとよばれた微生物です。1493年コロンブスがアメリカ大陸を発見した時、お土産としてタバコと梅毒を持ち帰ったと言われています。
日本では残された文献によりますと1512年に梅毒は確認されています。たった18年で伝染してしまったことになります。感染形式は大部分性行為によりますが、僅かですが接触感染や経胎盤感染もみとめられます。
症状は抗生物質の発見以降変化しており、典型的症例は少なくなっていますが、ここでは過去の典型的症状の説明をすることにします。
梅毒に感染すると「3週3ヶ月3年」にそれぞれ進捗した症状が出ます。参考までに列記すると以下の通りです。
第一期梅毒(感染後3週間くらい)
感染部分にしこり(初期硬桔)ができ、無痛性のリンパ節の肥大がみられます。症状の出ていない3週間以前においても、他人に感染させる可能性はあります。初期硬桔のしこりは痛くも痒くもないので、気づかないこともしばしばです。男性の場合しこりは包皮や陰茎などに発生し、その後表面が破れて、ビランや潰瘍になります。ふともものリンパ節が腫れ、梅毒性リンパ節炎になりますが痛みはありません。
第二期梅毒(感染3ヶ月後くらい)
全身に発疹がみられるのが特徴。発疹の形は丘疹、斑状疹、膿疱疹が顔や胴体に発生します。どの発疹もバラ色をしているのでバラ疹とも呼ばれています。この時期になると、全身のリンパ腺が硬く腫れ、痛みが出てくることがあります。また、発熱や疲労・倦怠感などもあらわれます。そのほか部分的脱毛や脱色斑・口峡炎なども起きます。しかし、これらの症状も数週間で本人の身体に免疫がつくられるために消えてしまいますが、潜伏梅毒状態にあると考えられます。
第三期梅毒(感染3年後くらい)
第二期の後、無症状になった梅毒は3年くらい経つと、「晩期梅毒」として顔を出します。この時期になると、皮膚の症状と内臓の変化が同時にあらわれます。その皮膚症状を「第三期梅毒」と言います。この時期の丘疹や潰瘍は顔や手足に出ることが多く、孤立性で瘢痕になることがあります。もう一つの特徴は「ゴム腫」です。「ゴム腫」は顔・頭・額などすぐ下に骨のある部分の皮膚に生じるはれで、顔の正中線近くに多く出ます。この「ゴム腫」は脳・大動脈・肝などにも出来てきます。
梅毒を治療しないでおくと、「晩期梅毒」患者の30%は免疫ができ自然治癒、30%が無症状、症状が出て複雑な状況になるのは30%前後とみられます。ただし、自覚症状は別にして保菌状態であるので、感染させる可能性は大いにあることになります。
特殊な梅毒としては、神経梅毒(脳梅毒・脊髄梅毒・無症候性神経梅毒)、大動脈炎を引き起こす梅毒、眼疾患を引起こす梅毒などが知られています。
上記説明の梅毒を後天梅毒と言い、母子感染による梅毒を先天梅毒と言います。胎児が梅毒に胎盤を通して感染するのは、妊娠5ヶ月以降と考えられます。母胎が無治療の梅毒に罹っていると先天梅毒児を分娩することになりますが、流産・早産・死産が多く、現実に生まれる確率はかなり低くなっています。生まれてきた子供は乳児梅毒になっており、皮膚に水脹れや丘疹やびまん性偏平浸潤などがみられます。特に内臓においての症状がシビアで肝臓・腎臓・肺・脾臓の炎症や「ゴム腫」などが出てきます。骨の異常も多く見られ、軟骨炎や骨膜炎がみとめられます。目における角膜炎や視神経炎は極度の視力障害を引起こしてしまいます。中枢神経系では髄膜炎、脳水腫などから知能障害や高度なマヒを引起こし、廃人になる可能性も大いにあります。

ご注意! ここでの説明は一般的知識の範囲になっています。典型的な症例や治療法の説明にすぎません。内容は充分チェックしていますが、くれぐれも参考情報にとどめてください。素人判断・素人療法は絶対に避けることをお勧めします。とくに、現実に症状などを自覚した時は、専門医の診断を受けられることを、強くお勧めします。
お願い! 解説内容については確認作業を充分注意して行っておりますが、時間経過による間違いや言い回しの不手際など、お気づきになられた方はぜひご一報いただけると助かります。


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